医薬品の貿易動向 — 輸出入額・主要相手国・推移
日本の医薬品(HSコード30類)の輸出入金額、主要貿易相手国、月次推移をリアルタイムの貿易統計データから解説します。
最終更新: 2026-05-25
医薬品は日本にとって慢性的な輸入超過(輸入赤字)品目です。HSコード3004(医薬品製剤)と3002(ワクチン・免疫製剤・抗体医薬品等の生物学的製剤)が30類の中核を占めます。欧米系のグローバル製薬企業(ロシュ・ノバルティス・ファイザー・アステラゼネカ等)が開発した革新的な医薬品、特にバイオ医薬品・抗体医薬品・抗がん剤の多くは国内生産が難しく、アイルランド・スイス・ドイツ・アメリカから大量に輸入されています。
アイルランドは欧州の製薬ハブとして多くのグローバル製薬企業の生産拠点を抱えており、日本の医薬品輸入元として長年首位を維持しています。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(2020〜2022年)では、mRNAワクチン(ファイザー・モデルナ)の緊急輸入により3002の輸入額が急増し、医薬品輸入全体を大幅に押し上げました。一方、輸出面では武田薬品・アステラス製薬などの日本系製薬企業のグローバル展開により、一部の品目では輸出も伸びています。
直近24ヶ月の輸出入金額推移
下の月次チャートは、日本の医薬品の輸出入金額(円ベース)の推移です。新薬の上市やパンデミック関連製品の動向が大きなイベントドリブンの変動を生む品目です。
輸出入数量の推移
医薬品は重量単価が非常に高いため、kg単位の数量では金額規模を実感しにくい面があります。数量推移は特定の製品(ワクチン等)の大量輸入が発生したタイミングの把握に有効です。
単価(円/kg)の推移
医薬品の単価(円/kg)は品目によって大きく異なりますが、バイオ医薬品・抗体医薬品の比率上昇に伴い、平均単価は長期的に上昇傾向にあります。
輸出入相手国別シェア(直近12ヶ月)
輸入元はアイルランド・スイス・ドイツ・アメリカ・ベルギーなどが上位を形成します。輸出先はアメリカ・中国・韓国・台湾・シンガポールなどアジア太平洋地域が多くを占めます。
- 1.アメリカ合衆国24.1%
- 2.ドイツ10.5%
- 3.アイルランド7.0%
- 4.中華人民共和国6.7%
- 5.スイス6.6%
- 6.英国5.8%
- 7.カナダ4.2%
- 8.フランス4.0%
- 9.プエルトリコ(米)3.9%
- 10.スロベニア3.4%
最新月の主要指標
- 2026年5月の輸入額
- 713億円
- 前年同月比
- -64.4%
- 輸入数量
- 2,688,635 kg
関連 HS コード
3002— 血液製剤・ワクチン・トキシン・微生物培養物・免疫製剤・モノクローナル抗体3004— 医薬品製剤(治療用・予防用、投与形態別に分類)
30類には上記以外に、包帯・ガーゼ等の医療材料(3005)、体外診断薬(3006)なども含まれます。
データソース
- 財務省貿易統計(customs.go.jp)
- 速報・確報・9桁速報の公表スケジュールに従って毎日10:00 JSTにKouroが同期しています
本記事のデータはKouroが財務省貿易統計から日次で取得した最新値を表示しています。最終更新: 2026-05-25